40代女性
万物と対話をするということができるようになってきました。
先週のことです。私の次男はかぼちゃの煮物が好きです。
お弁当のおかずにと思い、夜に料理しました。もう少し味が足りないな…と感じたので、
濃いだし汁を入れて煮て日を消して、冷めるまでガスコンロの上で鍋を放置しておくことにしました。
そして布団に入ったころに、まだ冷蔵庫に入れていないことを思い出したのです。
気付きはしたのですが、もう寝かけていたので、主人が入れてくれるだろうと勝手に信じて寝たら、
翌朝起きたらやっぱりというか、そのままでした。
夏という季節柄、白いカビが浮かんでいました。
食材を無駄にした悲しみと、息子の弁当のおかずを一品失った、
それをなんとかしなくちゃいけない焦りとがぐちゃぐちゃになって、心から溢れてきました。
「どうしてしまってくれなかったの!」と主人を責めて、一言のつもりがニ言三言になり、
意味があって出しっぱなしにしてあったと思ったんだよ! と言い返され、
このままではケンカになるところではっと気づいて、思いにブレーキをかけることができました。
そして、ふとかぼちゃが目に入りました。ごめんね、ごめんねと投げかけると、
「大事に思ってくれてたんだ、その思いだけで十分だよ」と、逆に慰めてくれるのです。
でもあなたを捨てないといけない、というと、
「気にしなくていいよ、それよりも『思い通りでなくても大丈夫』でしょ、とかぼちゃから言われて、
ああそうかと囚われを手放して自覚を取り戻していくことができました。
やがて心情が整理されて平和な朝に戻っていくことができました。
前なら不機嫌でめちゃめちゃな朝になったところでしたが、万物との対話で救われました。
前なら、かぼちゃを無駄にした! という思いから、かぼちゃをもう見たくない、
もう料理しないと過去に囚われ続けたと思いますが、今度はちゃんと作ってあげたい、
という気持ちになれました。
何よりも、かぼちゃと対話したということ自体がとても面白く、今でも笑みがこぼれます。