30代女性
渋谷に向かう電車の中での話です。
いつも朝は満員電車ですが、その日はいつになく混雑が激しい状態でした。
私の近くにいた女性の方が、あとから乗ってくる人に対して苛立ちのオーラを発していて、
聞こえるか聞こえないかという声で「ムカつく…」と言っていました。
どうしてそんなことを言うんだろうか? という思いから少し心がモヤモヤしてきたので、
自覚を取り戻すワークをしてみました。
私はいま電車に揺られていて、いろんな人の息遣い、衣服が擦れる音が聞こえる、
電車の音も聞こえる…。
すると、電車というのは、走る目的地が明確に決まっていて、お客さんが
きちんと目的地に到着するようにと走っていて、「その目的が果たされると嬉しいんだ」
という電車の声を以前聞いたときの感覚を思い出しました。
苛立ちや怒り、いろんな感覚を持っているひとを全部乗せていて、辛くないの?
と電車に尋ねると、すぐに返事は来なかったですが、少し経ってから、
「何もしてあげられなくて申し訳ないと思う…」という答えを感じました。
その人を慰めてあげる手段がない、
でもその人が無事に目的地に到着できるように精一杯走っているんだと…。
その人の目的が果たせるお手伝いできるように頑張っていると言ってきました。
とても感動しました。目を向けなければ気づかないことですが、
ために生きようと頑張っている万物と人に囲まれて、
私は生かされているという幸福に満たされました。